中古発電所の「隠れた影」を排除。ドローンが導くリパワリング戦略

クライアント

低圧太陽光発電所オーナー様
業種:個人投資家
規模:1名

抱えていた課題:

中古のFIT案件を購入したところ、近隣の樹木や雑草によって影ができており、発電量が想定より出なかった

導入の決め手:

ドローンを用いて作成された周辺環境の3Dデータにより、影のシミュレーションを見せてくれた。影のかかり方を考慮したパネル配置図で、設計根拠が素人にもわかりやすかった。また、低圧発電所を500件近く開発している実績があるので、安心して任せられると思った

導入の結果:

リパワリングの結果、売電量が約20%増加した

中古発電所の「隠れた影」を排除。ドローンが導くリパワリング戦略

1.支援内容とフェーズ

本プロジェクトでは、セカンダリー市場で購入された低圧太陽光発電所に対し、現状の課題分析からパネル配置の再設計、施工までを一貫して行う「リパワリング(発電能力の強化・最適化)」を実施しました。

実施施策: ドローンによる現況測量 / 3D影シミュレーション / パネルレイアウト設計・変更工事
対象設備: 中古で購入された低圧太陽光発電所(FIT案件)

2.中古案件に潜む「環境変化」のリスク

中古の太陽光発電所は、過去の売電実績があるため収益計算がしやすい反面、建設当初とは周辺環境が変化しているケースが多々あります。本事例の課題は、「近隣の樹木や雑草の成長による影」と「堆積した樹脂による発電不良」でした。植物の成長により、建設当時は問題なかった場所に影が落ちるようになり、発電量がシミュレーション値を大きく下回る事態が発生していました。また、樹木からの落葉、花粉、樹液(ヤニ)によるパネル汚れも、発電効率を著しく低下させる要因となっていました。

3.ドローン×3Dデータによる「根拠ある再設計」

影の影響を正確に把握するため、当社ではドローンを用いた空撮測量を実施し、発電所および周辺環境の「3Dデータ化」を行いました。

従来の平面図(2D)上の設計では、樹木の高さや地形の起伏まで考慮できません。しかし、3Dデータを活用することで、太陽高度が低い冬場や、朝夕の時間帯に「どこに、どの程度の影が落ちるか」を年間を通じて精密にシミュレーションすることが可能です。この解析に基づき、影の影響を回避する最適なパネル配置をご提案。専門知識のないオーナー様にも、「なぜ配置を変える必要があるのか」を視覚的にご理解いただいた上で改修工事に着手しました。

4.義務化された「保守点検」と資産価値の維持

FIT(固定価格買取制度)法では、発電事業者に適切な保守点検が義務付けられています。また、単に発電量が落ちるだけでなく、雑草や汚れを放置し続けることは、最悪の場合「FIT認定の取消」という事業継続に関わる重大なリスクに直結します。これまで500件以上の低圧発電所開発に携わってきた当社の知見を活かし、今回のリパワリングでは、発電量アップだけでなく「将来的にメンテナンス(除草・清掃)がしやすい動線」も確保した設計を行っています。

5.導入成果

リパワリング工事により、影による発電ロスと汚れによる効率低下が解消され、売電量が改修前に比べて約20%増加しました。中古発電所が本来持っていたポテンシャルを最大限に引き出し、投資回収期間の短縮と資産価値の向上を実現しています。

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